日本安全運転医療学会

研究会・学会のご報告

             

第一回自動車運転に関する合同研究会 〜自動車運転は学際的に取り組もう!〜

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日時 平成29年1月21日(土曜),9:00〜17:00
場所 北九州国際会議場 メインホール,イベントホール,国際会議室
福岡県北九州市小倉北区浅野3丁目9−30 (JR小倉駅新幹線口より徒歩7分)
TEL 093-541-5931
主催 自動車運転に関する合同研究会
運転と認知機能研究会(代表:三村 將)
障害者自動車運転研究会(代表:武原 格)
自動車運転再開とリハビリテーションに関する研究会(代表:佐伯 覚)
協賛 北九州市、(公財)西日本産業貿易コンベンション協会
後援 ・公益社団法人 福岡県医師会
・公益社団法人 北九州市医師会
・公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
・一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
・公益社団法人 福岡県作業療法協会
・一般社団法人 日本作業療法士協会
・一般社団法人 日本言語聴覚士協会
・一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会
・一般社団法人 福岡県指定自動車学校協会
・福岡県、北九州市 
大会長
独立行政法人労働者健康安全機構九州労災病院 門司メディカルセンター 院長 蜂須賀 研二
プログラム
   
【メインホール】
9:10-9:40 〜会長講演〜
『リハビリテーション医学における自動車運転の取り組み』
独立行政法人労働者健康安全機構 門司メディカルセンター院長 蜂須賀 研二 先生
9:40-12:05 〜特別講演〜
・『自動運転車のヒューマン・マシンインターフェースについて』
中部大学工学部ロボット理工学科 教授・学科主任 大日方 五郎 先生

・『疾病と自動車運転−体調管理の重要性−』
滋賀医科大学 社会医学講座 法医学部門 教授 一杉 正仁 先生

・『認知症と自動車運転:当事者および家族支援の観点から』
国立長寿医療研究センター 長寿政策科学研究部 部長 荒井 由美子 先生

・『認知機能と運転免許について 認知症を巡る運転免許行政の現状と課題』
警察庁 運転免許課 高齢運転者等支援室長  岡本 努  様
12:05-13:15 休憩
13:15-14:55 〜シンポジウム〜『3研究会の成果と合同・統合の展望』
シンポジスト
・『障害者自動車運転研究会のこれまでの歩みと今後の展開』
東京都リハビリテーション病院 リハビリテーション部長 武原 格 先生

・『運転と認知機能研究会からの報告』
慶應義塾大学医学部精神・神経科学教室 教授 三村 將 先生

・『自動車運転再開とリハビリテーションに関する研究会からの報告と提言』
産業医科大学 リハビリテーション医学講座 教授 佐伯 覚 先生

専門家指定発言
・『工学者の立場からの提言』
東京大学大学院新領域創成科学研究科 人間環境学専攻 教授 鎌田 実 先生

・『作業療法士の立場からの提言』
 千葉県立保健医療大学健康科学部 リハビリテーション学科作業療法学専攻
                            藤田 佳男 先生

・『指定自動車教習所の立場から』
一般社団法人 全日本指定自動車教習所協会連合会 専務理事 横山 雅之 様

15:00-17:00 〜専門講習会〜『自動車運転に必要な専門知識と技能』
1.診察、神経心理学的評価、脳機能画像検査
東京慈恵会医科大学附属第三病院リハビリテーション科 教授 渡邉 修 先生

2.自動車運転適性判定に特有な評価
 a.『脳卒中ドライバーのスクリーニング評価:日本版SDSAの紹介』
井野辺病院 リハビリテーション部 副部長 加藤 貴志 先生

 b.『有効視野検査UFOV®について』
産業医科大学 リハビリテーション部 作業療法部門 主任 飯田 真也 先生

 c.『抑制課題付有効視野測定法(VFIT)の臨床応用について』
千葉県立保健医療大学健康科学部 リハビリテーション学科作業療法学専攻
                            藤田 佳男 先生

3.簡易自動車運転シミュレーター
九州産業大学 情報科学部 教授 合志 和晃 先生

4.自動車運転再開・中止の判断と診断書の書き方
 a.『軽度認知障害・認知症』
高知大学医学部精神神経科 講師 上村 直人 先生

 b.『脳卒中・外傷性脳損傷』
産業医科大学 リハビリテーション医学講座 助教 加藤 徳明 先生
【国際会議室】
15:00-17:00一般口演
【イベントホール】
12:30-13:10ポスター

第二回日本安全運転医療研究会〜安心して交通社会に参加するために〜

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下記に抄録集の正誤表があります

第二回日本安全運転・医療研究会を主催して

滋賀医科大学社会学講座 一杉正仁

 去る、平成30年1月21日に、東京都大手町の日経ホールで、第2回安全運転・医療研究会を主宰させて頂きました。当日は521人という大勢の方が参加して下さり、情報交換や知識修得の場として活用頂きました。特に、「安心して交通社会に参加するために」というテーマのもと、共生と職場復帰を2大柱とし、内閣府政策統括官付参事官の金子 健 様、労働者安全機構理事長の有賀 徹 先生より特別講演を賜りました。今後、高齢化が進むわが国において、いかに交通安全を実現するか、そして、労働者の安全を確保したうえでの労働力確保の実現など、わが国の施策から取り組みの実際について詳細に概説頂きました。さらに、5件の教育講演では、「知っておくべき周辺知識」として、交通社会への復帰を目指す方に接する上で、医療従事者が配慮すべき点などを、専門の先生からご教示頂きました。そのほか、66題(口頭17題、ポスター49題)の一般演題が寄せられ、各現場での取り組みを中心に、新たな知見や現状の課題などを御紹介頂きました。このような、現場での問題点や知見を参加者が共有することは、さらなる発展につながることであり、ここに改めて、話題提供下さった発表者の皆様方に深謝申し上げます。
 さて、今回の研究会参加者は、医師、療法士、看護師などの医療従事者、工学技術者、行政や司法関係者など幅広いのが特徴でした。私たちの研究会は、何らかの疾病や障がいがある方でも、安心して安全に交通社会に参加できることを目指しております。参加者の皆様の立場が異なっても、目的は同じであり、本研究会がそれぞれの専門分野の垣根を越えて交流することに貢献できたことを嬉しく思っております。さらに、私たちが話し合って生み出した知見が、今後のわが国の社会安全や国民の社会参加促進に役立てると感じました。今後は、本研究会が関連団体のお力を借りて、地域や行政に情報を発信し、多くの国民に貢献できる活動ができるよう願っております。
 最後に、第2回安全運転・医療研究会の開催に、多大なご奉仕を下さいました皆様方に深謝申し上げます。また、会の開催に御尽力下さいました東京都リハビリテーション病院の皆様を始めとした、旧障害者自動車運転研究会のスタッフ一同に改めて御礼申し上げます。

日時 2018年1月21日(日),9:30〜15:30
場所 日経ホール、日経カンファレンスルーム
東京都千代田区大手町1-3-7 日経ビル
TEL  03-6256-7686
主催 第二回日本安全運転医療研究会
後援 ・内閣府
・厚生労働省
・東京都
・警察庁交通局
・東京都
・公益社団法人 日本医師会
・公益社団法人 東京都医師会
・一般社団法人 日本理学療法士協会
・一般社団法人 日本作業療法士協会
・一般社団法人 日本言語聴覚士協会
・公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
・一般社団法人 日本交通科学学会
大会長
滋賀医科大学 医学部社会医学講座 法医学部門 一杉 正仁
プログラム
   
【日経ホール】
9:40-10:10 〜会長講演〜
『安全な交通社会を形成するための課題』
滋賀医科大学 医学部社会医学講座 法医学部門 一杉 正仁先生
10:20-12:00 〜一般口演〜
13:00-13:40 〜特別講演1〜
・『わが国における自動車事故防止対策について』
内閣府政策統括官付参事官 金子 健様
13:00-13:40 〜特別講演2〜
・『自動車運転と就業について』〜地域で求められる多職種連携・チーム医療〜』
労働者健康安全機構 理事長 有賀 徹様
14:35-15:55 〜教育講演 知っておくべき周辺知識〜
・『運転に必須な高次脳機能』
東京慈恵会医科大学付属第三病院 リハビリテーション科教授 渡邉 修先生

・『視機能の評価について』
東京慈恵会医科大学 眼科学講座講師 久米川 浩一先生

・『歩行者・自動車事故予防への取り組み』
名古屋大学大学院 工学研究科教授 水野 幸治先生

・『加齢に伴う精神・神経症状の変化について』
慶応義塾大学 医学部精神・神経科学教室教授 三村 將先生

・『障害者に対する社会的支援の重要性について』
産業医科大学 リハビリテーション医学講座教授 佐伯 覚先生

【日経カンファレンスルーム】
10:00-15:00ポスター展示
【大手町セミナールーム】
14:35-15:55一般口演

正誤表

正誤箇所
p15 一般演題3 終了時刻15:5515:45
p67 ご協力団体・企業ご芳名マネービジネスマネージビジネス

第三回日本安全運転医療研究会〜安心して交通社会に参加するために〜

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日時 2019年1月27日(日),9:20〜16:40
場所 一橋大学一橋講堂
東京都千代田区一ツ橋2-1-2 学術総合センター2階
TEL  03-4212-3900
主催 第三回日本安全運転医療研究会
大会長
慶應義塾大学 医学部精神・神経科学教室 三村 將
プログラム
【一橋講堂】
9:40-10:10 〜会長講演〜
・『近未来社会におけるひととくるまの共生』
慶應義塾大学 医学部精神・神経科学教室 三村 將先生
10:05-10:50 〜教育講演〜
・『運転に関する日本作業療法士協会の取り組み』
千葉県立保健医療大学 健康科学部 リハビリテーション学科 藤田 佳男先生

・『高次脳機能障害者の運転再開に関する指定自動車教習所の取り組み』
全日本指定自動車教習所協会連合会専務理事 横山 雅之様

・『近年の道路交通法改正と運転に支障のある病気を有する者への対策等について』
警察庁運転免許課高齢運転者等支援室長 丸山 直紀様
11:00-11:45 〜トピックスA ひとを支えるクルマ〜
・『マツダが考える自動運転』
マツダ株式会社技術研究所先進ヒューマンビークル研究部門 山本雅史様

・『IoTが変えていく”睡眠と運転”の安全管理』
ソフトバンク株式会社

テクノロジーユニットモバイル技術統括IoT事業推進本部事業開発統括部

事業開発1部ヘルスケア企画課 浦野 憲二様

・『各国における高齢者向け電動モビリティの利用頻度とその背景について』
Whill株式会社 佐藤 圭悟様
11:55-12:45 〜特別講演1〜
・『高齢者と運転』
独立行政労働者健康安全法人機構門司メディカルセンター 蜂須賀 研二先生
13:45-14:35 〜特別講演2〜
・『自動車運転の現状と展望』
東京大学大学院新領域創成科学研究科 鎌田 実先生
14:45-16:40 〜シンポジウム 運転に支障のある病気〜
・『眼疾患』
慶應義塾大学医学部眼科学教室 根岸 一乃先生

・『認知症』
三重大学医学部神経病態内科学 冨本 秀和先生

・『てんかん』
自治医科大学医学部脳神経外科 川合 謙介先生

・『パーキンソン病』
岩手医科大学医学部神経内科・老年科分野 前田 哲也先生

・『運転に関する薬剤の影響』
埼玉医科大学医学部精神医学 松尾 幸治先生
【中会議室】
10:05-10:50 〜ディベート〜
・『急性期病院での運転支援の現状と課題』
前橋赤十字病院リハビリテーション科 大竹 弘哲先生

・『回復期病院での運転支援の現状と課題』
東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科 武原 格先生
11:00-11:45 〜トピックスB〜
・『免許センターにおける医療系専門職の活用』
神奈川県警察本部交通部運転免許本部運転教育課適性審査係 田中 克己・白岩 淑子様
14:45-16:40 〜一般演題〜
【ポスター会場】
9:15-16:00 ・『ポスター展示』

第四回日本安全運転・医療研究会〜住み慣れた地域での社会参加を目指して〜

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第四回日本安全運転・医療研究会を開催して

福井医療大学 小林康孝

 令和元年12月13〜14日に、福井市のAOSSAにて、第4回日本安全運転・医療研究会を開催させていただきました。雪の心配から例年より約1か月早い開催としたことで、皆様には御迷惑をおかけしましたが、おかげさまで天候にも恵まれ、無事当日を迎えることができました。これまでの大都市開催とは異なり、初めての中核市での開催でしたので、「住み慣れた地域での社会参加を目指して」というテーマを掲げ、地域の特徴を出せるようなプログラムを作成してまいりました。
 特別講演は、内閣府政策統括官付参事官の近藤共子様から高齢者を中心とした交通安全対策について、筑波大学副学長の稲垣敏之先生から自動運転についての御講演を賜りました。教育講演は4人の先生方から、運転時の覚醒度、認知症運転、積雪環境での自動運転、福井県警の対策に関する御講演を、地域トピックスでは永平寺町と富山市における独特の取り組みを2人の先生方から御紹介いただきました。いずれも時代と地域の実態に即した大変興味深い内容だったと思います。さらに4人の作業療法士の先生方に、障害者支援に関するシンポジウムを行っていただきました。参加者の多くを占める作業療法士の先生方にとっては特に有意義なものだったのではないでしょうか。また、一般演題は76題とこれまで以上の数が集まり、一般会場もポスター会場も人が溢れ、とても活発な討論が行われていました。皆様の熱心なお気持ちを感じるとともに、車社会が抱える問題の大きさを痛感いたしました。発表、そして討論に御参加いただいた先生方に感謝申し上げます。
 さて、交通事故や交通安全上のトラブルが連日のように報道され、車社会に対する不安と、安全・安心に対する人々の関心は年々高まっています。それに伴い、高齢者や障害をお持ちの方々の自動車運転に対する世間の目が厳しくなってきていますが、その一方でそれら社会弱者にとって、移動手段としての自動車の必要性は高く、特に公共交通網が脆弱な地域においては尚更です。本研究会は、障害者や高齢者の方々が、車社会においてそれぞれの地域で安全に社会参加できることを目的としております。異なる職種の方々が一堂に会し、議論し、そして社会に多くの情報を発信できる会へと発展していけることを願っております。
 最後になりましたが、第4回日本安全運転・医療研究会の開催に御協力いただきました幹事・世話人を始めとする関係者の皆様、そして会の運営に御尽力いただきました新田塚医療福祉センター職員の皆様に改めて御礼申し上げます。

日時 2019年12月13日(金)~14日(土)
場所 福井県県民ホール(AOSSA8F)、福井市地域交流プラザ(AOSSA6F)
福井県福井市手寄1-4-1
TEL  0776-87-0003
主催 第4回日本安全運転・医療研究会
大会長
福井総合病院 リハビリテーション科 部長、福井医療大学 副学長 小林 康孝
プログラム

2019年12月13日(金)

【第1会場 県民ホール】
13:40-14:30 〜教育講演1〜
・『運転者の健全性を監視する予防安全技術実用化のために』
福井医療大学 講師 塩見 格一先生
14:40-16:00 〜シンポジウム〜 作業療法士としての障害者運転支援
・『脳損傷者の自動車運転再開支援概論』
千葉県千葉リハビリテーションセンター高次脳機能障害支援センター 小倉 由紀先生

・『神経心理学的検査による運転技能予測』
井野辺病院 総合リハビリテーションセンター リハビリテーション部 加藤 貴志先生

・『職業運転再開と復職支援~作業療法士の役割~』
東京都リハビリテーション病院 作業療法科 大場 秀樹先生

・『これからの運転リハビリテーション』
千葉県立保健医療大学 健康科学部 リハビリテーション学科 藤田 佳男先生
【第2会場 リハーサル室】
14:40-15:40
15:40-16:40
16:40-17:30
〜一般演題1〜
〜一般演題2〜
〜一般演題3〜
【第3会場 601】
16:00-17:00 ・『ポスター発表』

2019年12月14日(土)

【第1会場 県民ホール】
10:00-10:35 〜大会長講演〜
・『住み慣れた地域での社会参加を目指して』
福井総合病院リハビリテーション科・福井医療大学 小林 康孝先生
10:40-11:40 〜特別講演1〜
・『交通安全対策の歩みと将来に向けた課題~超高齢化社会と交通安全~』
内閣府 政策統括官付 参事官 近藤 共子様
11:45-12:30 〜教育講演2〜
・『認知症者の自動車運転』
敦賀温泉病院 認知症疾患医療センター・介護老人保健施設ゆなみ 玉井 顯先生
13:30-14:30 〜特別講演2〜
・『高齢者・障がい者の安全な移動を支える運転支援と自動運転』
筑波大学 稲垣 敏之先生
14:35-15:20 〜教育講演3〜
・『積雪環境における自動運転技術の開発』
北海道大学 大学院 工学研究院 人間機械システムデザイン部門 江丸 貴紀先生
15:30-16:00 〜教育講演4〜
・『福井県における高齢運転者対策』
福井県警察本部 交通部 運転免許課 宮前 秀猛様
【第3会場 601】
11:50-12:30 〜一般演題4〜
14:40-15:10 〜地域トピックス1〜
・『自動走行の実用化に向けた永平寺町の取組み』
永平寺町役場 総合政策課 永田 敦夫様
15:15-15:45 〜地域トピックス2〜
・『自動車交通依存度の高い社会からの脱却に向けた富山市の取り組み』
富山県リハビリテーション病院・こども支援センター 吉野 修先生

第五回日本安全運転・医療研究会〜安心・安全な交通社会のしくみ〜

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第五回日本安全運転・医療研究会を開催して

大会長 渡邉 修

 2021年12月5日 WEB形式にて、第5回 日本安全運転医療研究会を開催することができました。本研究会は、毎回、対面形式にて熱心な議論が交わされてきましたので、是非、第5回も対面でと準備をしてきたのですが、新型コロナウイルス感染症蔓延のために、およそ1年の延期を試みましたが、対面での研究会はかなうことできませんでした。しかし、それでも、当日は、各ご専門領域より、266人の方にご参加いただくことができましたこと、ひとえに会員の先生方のご支援のたまものであり、深く感謝申し上げます。
 本研究会は、下記の一覧表にありますように、会長講演、運転指導基礎講座5演題、特別講演2演題、そして来るべき学会化にむけたシンポジウムでの6演題、そして一般演題として、35演題のご発表をいただきました。会長講演では、運転に必須な高次脳機能と運転事故との関係が説明されました。運転指導基礎講座では、障害者および高齢者の自動車運転再開を指導する上で必須な知識を整理していただきました。特別講演(1)では、警察庁交通局運転免許課の仲村健二様より、高齢運転者による交通事故の発生状況、認知症と運転免許制度、高齢運転者による事故防止に向けた制度改正、自主返納その他の関連制度、運転免許の行政処分の対象となる「一定の病気等」についてご説明をいただきました。特別講演(2)では、水野幸治先生(名古屋大学工学研究科機械システム工学専攻)より、四輪車対自転車の出会い頭事故について,ドライブレコーダデータおよびドライビングシミュレータから緊急時のドライバの応答に関するご研究結果をご教示いただきました。また、シンポジウムでは、本研究会の学会化を前提に、下表のように多方面からの御提言をいただきました。
 一般演題は、35演題あり、事例報告、各種運転能力評価方法に関する提言と考察、MCI症例の問題点、COVID-19の運転支援への影響、自動車運転支援に関する実態調査、視覚障害と運転能力との考察、交通死亡事故の原因と効果的対策、改正道交法2022の影響などがあり、いずれも、本研究会(学会)にとって重要なテーマのご発表でした。

日時 2021年12月5日(日曜日)
場所 WEB開催、オンライン+オンデマンド配信
主催 第5回日本安全運転・医療研究会
大会長
東京慈恵会医科大学附属第三病院リハビリテーション科 渡邉 修
プログラム
会長講演 自動車運転と脳機能 渡邉 修 東京慈恵会医科大学附属第三病院
運転指導基礎講座
運転指導の手順 小林 康孝先生 福井医療大学大学院保健医療学研究科
全身評価のポイント 加藤 徳明先生 小波瀬病院 リハビリテーション科
評価・訓練の実際 小倉 由紀先生 千葉県千葉リハビリテーションセンター
認知機能の低下、MCI事例への運転指導 上村 直人先生 高知大学 医学部 神経精神科学教室
法制度のポイント 馬塲美 年子先生 慶應義塾大学医学部
特別講演
(1)
高齢運転者等の交通事故実態と運転免許制度の改正について 仲村 健二様 警察庁交通局運転免許課 高齢運転者等支援室長
特別講演
(2)
四輪車対自転車事故のドライバから見た発生要因 水野 幸治先生 名古屋大学 工学研究科機械システム工学専攻
シンポジウム 〜本研究会の学会化に期待すること〜
学会化準備委員会からの報告 武原 格先生 東京都リハビリテーション病院
全日本指定自動車教習所協会連合会からの提言 横山 雅之先生 全日本指定自動車教習所協会連合会
東京都医師会からの提言 吉本 一哉先生 東京都医師会
運転免許センターからの提言 白岩 淑子 神奈川県警察本部交通部運転免許本部
自動車改造 杉山 光一先生 有限会社フジオート
東京都作業療法士協会からの提言 大場 秀樹先生 東京都リハビリテーション病院

第六回日本安全運転・医療学会学術集会

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安全な交通社会を支える多職種の連携

 本学術集会は、前身の日本安全運転医療研究会が学会へ組織変更して初めての記念すべき大会となった.新型コロナウイルス感染症蔓延のために現地開催が危ぶまれたものの,当日は,医療,教育・研究,自動車教習所,行政ならびに企業の方々など各専門領域より,259 名の参加があった.特別演題9題,一般演題40題の発表があり活発な議論がなされた.
 会長講演では,安全な運転技能評価の方法の確立を進める一方,免許を失う障害者の支援 の方法について社会全体として議論してゆく必要性が述べられた.特別講演では永井先生より,交通事故死者ゼロに向けた運転の自動化の取り組みや車両の安全技術のプロジェクトについて,また、目黒先生より高齢者,初期認知症疾患の特徴や運転に関係する視覚性機能などの先進的な知見について紹介があった.教育講演では 武原先生より,道路交通法改正にともなう運用や解釈について詳細な説明があり,眼科医である村上先生より,視覚機能の検査や,緑内障と自動車運転の関係性などの講演がなされた.
 シンポジウムTでは,多職種の連携をテーマに,それぞれの専門の立場から現在の取り組みや協働の仕方について,シンポジウムUでは,全国各地の地域レベルの取り組みとして,自動車運転の再開評価や支援,交通弱者に対する支援の方法などが紹介され,今後の取り組むべき課題の提言があった.なお,一般演題では,感染対策とSDGs(多量のポスター紙廃棄)の観点からポスターセッションではなく一般口演として実施された.

日時 2022年12月17日(土)
場所 北九州国際会議場(福岡県北九州市小倉北区浅野3丁目9-30)
大会長
産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座・教授 佐伯 覚
プログラム(敬称略)
【第1会場 メインホール】
8:30-9:00 〜会長講演〜
・『障害者の社会参加と自動車運転 』
産業医科大学医学部リハビリテーション医学講座  佐伯 覚
9:10-9:40 〜特別講演T〜
・『交通事故死者ゼロに向けた包括的アプローチの必要性』
東京農工大学名誉教授、日本自動車研究所顧問  永井 正夫
9:50-10:20 〜教育講演T〜
・『道交法改正と東京都医師会の活動』
東京都リハビリテーション病院リハビリテーション科  武原 格
10:30-12:10 〜シンポジウムT〜 脳障害者の自動車運転再開における多職種の連携
  1. 医療機関の医師の立場から
    世田谷記念病院リハビリテーション科 牛場 直子
  2. 医療機関の作業療法士の立場から
    農協共済中伊豆リハビリテーションセンター作業療法科 生田 純一
  3. 自動車教習所の立場からみた医療機関との連携
    〜実車教習の実際と今後の課題〜
    アイルモータースクール 重松 宏昭
  4. 免許センターの医療従事者の立場から
    福岡県警察本部交通部運転免許試験課 佐藤 美穂
13:40-14:10 〜特別講演U〜
・『高齢者の認知機能低下と運転能力 』
東北大学 未来科学技術共同研究センター 高齢者高次脳医学研究プロジェクト
目黒 謙一
14:20-14:50 〜教育講演U〜
・『自動車運転と眼』
むらかみ眼科医院  村上 美紀
15:00-16:40 〜シンポジウムU〜 地域での運転・移動に関する支援
  1. 福島県郡山地区での自動車運転再開支援
    :実車評価と実車リハビリテーション
    東海大学大磯病院リハビリテーション科 豊倉 穣
  2. 群馬県における自動車運転支援の取り組みと今後の課題
    群馬大学医学部附属病院リハビリテーション科 伊部 洋子
  3. 兵庫県総合リハビリテーションセンターにおける実車評価の歴史と
    運転再開後の安全運転状況
    兵庫県立リハビリテーション中央病院
    リハビリテーション科 冨士井 睦
  4. 東京都での取り組み 〜「行きたいところへ行く」を実現するために〜
    株式会社Reha Labo Japan
    リハラボ訪問看護リハビリステーション
    町田 永島 匡
  5. 高齢者モビリティの予防的支援 〜千歳市高齢ドライバーサポート事業〜
    北海道千歳リハビリテーション大学
    作業療法学専攻 佐々木 努
【第2会場 11会議室】
9:10-10:00 〜一般演題T〜
10:10-11:00 〜一般演題U〜
11:10-12:00 〜一般演題V〜
13:40〜14:30 〜一般演題W〜
14:40-15:30 〜一般演題X〜
【第3会場 22会議室】
10:10-11:00 〜一般演題Y〜
11:10-12:00 〜一般演題Z〜
13:40-14:30 〜一般演題[〜
14:40-15:30 〜一般演題\〜

第七回日本安全運転・医療学会学術集会
地域と運転〜地域特性を考慮した安全運転のアプローチ〜』

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第七回日本安全運転医療学会学術集会を開催して

 2023年12月16日、第7回日本安全運転医療学会学術集会を千葉県にて現地開催致しました。学会としては2回目の開催であり、新型コロナウィルス感染症が感染法上の位置づけで、2類から5類に移行後、はじめての開催でした。事前申込の段階で300名を越える登録があり、当日は418名の方々の参加をいただきました。運転に関連する個々に対するアプローチから、交通事情に関する地域課題までを、警察や教習所、医療機関関係者、そして運転補助装置や自動運転などの自動車関係や工学系の関係者など、多分野からの参加によって熱心なディスカッションが展開された学術集会でした。
 こうした学術集会が開催できましたのも、ひとえに普段からの活動を通して興味関心の輪を広げて下さっている会員の先生方のご支援の賜物であり、深く感謝申し上げます。
 本学術集会は、下記の一覧表にありますように、大会長講演、特別講演と教育講演を2演題ずつ、そしてシンポジウムがメイン会場で行われ、自動運転の取組みの現状と最新情報、運転に関する法律、教習所の取組など運転支援に関する多角的な視点から知識を得る機会となりました。またシンポジウムではそれぞれの立場・視点からの発信とディスカッションにより、今回のテーマにもある地域特性を考慮した安全運転へのアプローチを考える場を持つことができました。その他、一般演題発表(口述20演題、ポスター32演題)の会場にも多くの参加者が集まり、積極的なディスカッションがなされました。また、今回あらたに試みたワークショップ企画も好評を得て、事前申し込み時点で定員を満たすほどの盛況ぶりであり、テーマへの関心の高さを実感致しました。いずれの会場でも、発表者と聴講者の熱気ある交流のもと、有意義な意見や情報の交換が展開されました。
 さらに企業展示ブースでは、ドライビングシミュレータ関連の3社をはじめ、その他運転支援に関わる企業を含め、併せて7社の参加があり、本学会らしい企業展示を提供することができたと思います。各ブースでは多くの関心を得て、大変な賑わいをみせておりました。
 現地開催でしたので、今回残念ながら参加できなかった方もいらっしゃるかと思いますが、熱心なディスカッションと交流は、Webでは味わえない現地開催ならではの学びを多く持ち帰っていただけたことと考えております。
 最後に、第7回日本安全運転医療学会学術集会の開催に、多大なご協力ご支援をいただきました皆様方に、心より深謝申し上げます。
 末筆になりましたが、皆様の益々のご発展とご健康をお祈り申し上げます。

日時 2023年12月16日(土) 8:55〜16:10
場所 ホテルポートプラザちば (千葉県千葉市中央区千葉港8?5)
主催 日本安全運転医療学会
大会長
千葉県千葉リハビリテーションセンター センター長 菊地 尚久
プログラム(敬称略)
第1会場 ロイヤル
9:00-9:30 【大会長講演】
『高次脳機能障害者に対する千葉県での自動車運転評価』
千葉県千葉リハビリテーションセンター
センター長 菊地 尚久
9:30-10:30 【特別講演1】
『自動運転に関する動向と高齢者や障害者運転支援の今後の可能性』
東京大学モビリティ・イノベーション連携研究機構長
生産技術研究所 次世代モビリティ研究センター
教授 須田 義大 先生
10:40-11:10 【教育講演1】
『運転支援(評価)を進めるうえで必要な法的基礎知識』
滋賀医学大学 社会医学講座法医学部門
教授 一杉 正仁 先生
11:10-11:40 【教育講演2】
『自動車教習所の支援の実際〜脳損傷者の実車評価における
今後の運転再開についての指導や講評を中心に〜』
(株)コヤマドライビングスクール二子玉川
指導係長 森 早穂 先生
12:10-13:10 【ランチョンセミナー】 共催:インターリハ株式会社
『高齢者運転寿命延伸プロジェクトin宮崎』
社会福祉法人莞爾会 理事長 東 健太郎 先生
13:30-14:15 【特別講演2】
『高齢運転者による交通死亡事故等の防止対策について』
警察庁交通局運転免許課 高齢運転者等支援室長
警視正 中嶋 正浩 先生
14:30-16:00 【シンポジウム】
「地域と運転〜地域特性を考慮した安全運転へのアプローチ〜」
  • 『運転とパーソナリティ』
    福井医療大学 保健医療学部リハビリテーション学科
    教授 小林 康孝先生
  • 『当センターの高次脳機能障害者に対する運転再開支援と地域連携
    〜安全な自動車運転再開を目指して〜』
    千葉県千葉リハビリテーションセンター
    第一脳神経内科部長 赤荻 英理
  • 『都市部における運転支援の実際』
    伊丹恒生脳神経外科病院 リハビリテーション部/兵庫
    作業療法士会自動車運転支援員会委員長
    笹沼 里味 先生
  • 『千歳市における高齢ドライバー支援の枠組みと実践』 
    北海道千歳リハビリテーション大学作業療法学専攻
    教授 山田 恭平 先生
第2会場 パール 一般演題:口述
10:35-11:20 口述1 (5演題)
11:20-12:05 口述2 (5演題)
14:30-15:15 口述3 (5演題)
15:15-16:00 口述4 (5演題)
第3会場 ルビー 一般演題:ポスター
11:30-12:00 ポスター1(16演題) ※フリーディスカッション形式
13:20-13:50 ポスター2(16演題) ※フリーディスカッション形式
第4会場 房総 ワークショップ
10:40-11:20 【運転ワークショップ@】
『自動車運転評価におけるドライビングシミュレータの活用の実際』
千葉県千葉リハビリテーションセンター
リハビリテーション治療部第二 作業療法科長 高浜 功丞

千葉県千葉リハビリテーションセンター
リハビリテーション治療部主任 作業療法士 吉村 友宏
13:30-14:30 【運転ワークショップA】
  1. 『指定自動車教習所との連携の実際』
    千葉県千葉リハビリテーションセンター更生園
    主席作業療法士 小倉 由紀

    千葉県千葉リハビリテーションセンター
    リハビリテーション治療部 副部長 安森 太一
  2. 『自動車運転再開における患者教育』
    千葉県千葉リハビリテーションセンター
    リハビリテーション治療部 作業療法士 石田 理江子

    千葉県千葉リハビリテーションセンター
    リハビリテーション治療部 主任作業療法士 赤羽 美菜子
【協賛】

横浜市立大学医学部医学科同窓会倶進会、インターリハ株式会社、有限会社フジオート、本田技研株式会社、株式会社PRIDIST、グラクソ・スミスクライン株式会社、株式会社クレアクト、株式会社do.Sukasu、シスネット株式会社、東名ブレース株式会社、医歯薬出版株式会社、株式会社医学書院、帝人ヘルスケア株式会社、株式会社新興医学出版社、オージー技研株式会社、株式会社志学書店 (順不同)

【寄付】

サンバイオ株式会社、ネスレ日本株式会社

【後援】

千葉県、千葉市、千葉県警察本部交通運転免許本部千葉運転免許センター、一般社団法人千葉県指定自動車教習所協会、一般社団法人日本損害保険協会、独立行政法人自動車事故対策機構、公益社団法人千葉県医師会、一般社団法人千葉県作業療法士会、一般社団法人千葉県言語聴覚士会、一般社団法人千葉県理学療法士会、一般社団法人千葉県医療ソーシャルワーカー協会

 最後に、第5回 日本安全運転医療研究会に対し、13社(アライヴワーク株式会社、医歯薬出版株式会社、一般社団法人 交通事故被害者家族ネットワーク、医療法人社団 三成会 新百合ヶ丘総合病院、インターリハ株式会社、学校法人 衛生学園 東京衛生学園専門学校、株式会社 新興医学出版社、株式会社 マネージビジネス、株式会社 三輪書店、コヤマドライビングスクール、特定非営利活動法人 東京高次脳機能障害協議会、古田総合法律事務所、有限会社 フジオート、五十音順)の企業様の協賛をいただきました。本研究会報告を借りて、ここに深く御礼申し上げます。

文責:日本安全運転医療学会 更新日:2024年6月28日

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